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AGAの進行パターンについて

進行パターン

男性の薄毛の原因として大部分を占めるのが男性型脱毛症(AGA)です。女性の場合はまた異なりますが、男性の場合は進行過程が特徴的ないくつかのパターンに分かれます。

本章では男性のAGAの進行パターンや対処の仕方について見ていきましょう。


O字型

O字型は薄毛が頭頂部から始まっていくタイプです。頭頂部から円周状に薄毛が広がっていく状態を、アルファベットの「O」の字になぞらえて「O字ハゲ」などと呼ばれることもあります。

頭頂部にはつむじもありますが、おおむねこの付近から徐々に軟毛化が進み、抜け毛が増えていき薄毛となります。

場所柄、普段はまじまじと見る個所ではないので、本人も薄毛が進んでくるまでは気づけないこともあります。家族や友人などに指摘されて気づくということも多いようです。


U字型

前頭部から頭頂部に向けて薄毛が進行していくパターンをU字型(U字ハゲ)といいます。顔正面から見て、地肌が露出するエリアがアルファベットのU字になることからこう呼ばれますが、見る角度を逆にするとAの字にも見えることからA字型と呼ぶこともあります。

最近はU字で呼ばれることが多いですが、どちらも同じタイプを指します。U字タイプは、おでこのラインが全体的に後退していきます。


M字型

M字型は両方の生え際から薄毛が進行していくパターンです。人の顔を正面から見て、薄毛のラインがMの字になることから「M字ハゲ」とよばれることもあります。

いわゆるそり込みが深くなっていくようなイメージで、進行するとMの字が深くなっていきます。中等度まで進むと前頭部(おでこ)のラインも徐々に薄くなっていきますが、見た目にU字型にはならず、Mの字をかたどったまま頭頂部に向けて薄毛が進んでいきます。


混合型

人によっては複数のパターンが同時に進むこともあり、これを混合型と呼ぶこともあります。例えばO字とU字が同時に進めば、それだけ早くおでこと頭頂部の両方の薄毛が進みますから、地肌の露出割合も大きくなります。

年齢が若い時期にはU字タイプとして薄毛が進行していたけれども、中年以降になってO字タイプを併発するなど人によってパターンは異なります。


どのタイプも原因は同じ男性ホルモン

男性ホルモン

人によって上で見てきたどのパターンになるかは異なりますが、原因となるのはどのタイプでも同じで、体内で作られるジヒドロテストステロン(DHT)という活性化した男性ホルモンが犯人です。

元々、男性としての体を作るために体内ではテストステロンという男性ホルモンが多く作られていますが、思春期以降は体内酵素の一種である5αリダクターゼによってDHTに変換される量が増えていきます。

DHTは髪の毛が成長するサイクル(ヘアサイクル)を乱して、正常な髪の生育を妨げてしまいます。


薄毛になる前兆を見逃さないこと

DHTが髪の生育を阻害し始めると、いきなり地肌が露出し始める前に髪の軟毛化が起きます。上で見てきた進行パターンは薄毛を最初に発症する部位に着目したものですが、どの部位から始まる場合でもこの軟毛化現象を見逃さないようにすれば、早めの対処が可能になります。

軟毛化とは、それまでよりも髪に弾力がなくなり、ハリやコシのない柔らかい髪質に変化することをいいます。DHTの影響が出始めると、髪は十分な期間をかけて太く、強く成長することができなくなるため、最初にこの現象が現れます。

次に、その弱った状態の抜け毛が増え徐々に地肌の露出度が上がってきます。こうすることで、見た目に薄毛として視認されることになります。地肌の露出が進む前の軟毛化が見られた時点で、効果的な対処をすることが望まれます。


効果的な対処とは?

AGAは体内のホルモンが直接の原因になるもので、これを抑制するにはDHTの生成を抑える治療薬の使用が大変効果的です。医療機関ではフィナステリド製剤などDHTの生成を抑える内服薬の使用が可能ですから、効果的な対処が可能です。

薄毛が進んでしまうと、フィナステリド以外の治療方法も併用しないと満足のいく効果を得られませんが、初期段階であれば他人に薄毛を指摘されることなく、十分な毛量の回復が可能です。食事内容や睡眠習慣など日ごろの生活習慣も薄毛の進行に影響しているので、悪い習慣を改めることも大切です。

ごくごく初期の段階では、生活習慣の見直しと市販の育毛剤などの併用で様子を見てもいいかもしれませんが、多くの場合、実際に満足のいく効果を得られずに医療機関に相談することになるでしょう。


まとめ:どのパターンでも薄毛の前兆を捉えて対処すべし

今回は男性のAGAの進行パターンを見ながら、薄毛になる原因や対処法などをお伝えしてきました。見た目の進み方が異なるだけで、根本の原因はどれも同じ体内のホルモンによる影響です。

そのため前兆現象も同じで、軟毛化が最初に現れますので、これを捉えてできるだけ早期に医師に相談するのが賢明です。軟毛化の判断がご自身で難しい場合でも、薄毛治療を手掛ける専門医であれば判断が可能です。

当院では初期段階から重症の患者さんまで幅広く診てきていますから、どの段階でも効果的な治療を提供できます。初期段階の患者さんには費用負担の少ない治療プランを提案できますので、ぜひ早めにご相談くださいね。