コラム

2020.4.13 知識

薄毛の原因はホルモンにあった

薄毛の原因となるホルモンとは？

薄毛の形態は男性と女性で異なるため、表面上の悩みとしては男女で違いが出てきますが、薄毛の根本原因は男性でも女性でも同じ体内のホルモンです。

薄毛を引き起こす犯人はジヒドロテストステロン（DHT）で、活性化した男性ホルモンの一種になります。人の毛髪はヘアサイクルに従って成長と自然な脱毛を繰り返していますが、健康な状態であればおよそ3年～7年程度の成長期間を確保できるので、その間に髪の毛は太く強く成長することができます。

DHTはこの成長期を極端に縮めてしまうことで薄毛を引き起こします。DHTはある種の脱毛信号を発し、これを受け取った毛根は正常に髪を育てることができなくなってしまいます。DHTの影響下では、髪の成長期間はおよそ1年程度までに短縮されます。

短い期間では髪が正常に育つことができず、次第に痩せ衰えていきます。この症状を髪の軟毛化といいますが、本人の実感としては髪にハリやコシがなくなり、ボリュームがなくなった感じがしてきます。以前よりヘアセットに時間がかかるようになったと感じる方も多いです。

成長期が短くなった分、脱毛に向かうまでの期間も縮まりますから、細い抜け毛が増えていきます。適切な治療を行わないと、DHTの影響のもとで抜け毛がどんどん増え、次第に地肌の露出面積が増えてきます。この段階で薄毛としてはっきり認識されるようになります。

DHTは体内酵素によって作られる

薄毛を引き起こすDHTは最初から体内に存在するわけではありません。元々、人間の体にはテストステロンという薄毛の原因にはならない男性ホルモンが存在しています。男性ホルモンの一種ですので、当然男性のほうが女性よりも多く分泌していますが、女性もわずかに分泌しています。

テストステロンは筋肉を作るなどの重要な役割があるのですが、体内にある酵素の一種「5αリダクターゼ」の作用を受けるとDHTに変換されてしまいます。この酵素の活性の強さには遺伝も影響するとされており、活性が強ければそれだけ多くのDHTが生成され、薄毛のリスクを高めることになります。

こうした個人差もあるのですが、DHTが作られる時期やタイミング、影響の強弱などは男女の性差も関係してきます。次の項からは男性と女性でどんな違いがあるのか見てみます。

男性の場合

男性の場合、DHTの生成量は思春期以降徐々に増えていきます。つまり加齢がDHTの生成量を増やす一番の要因ということです。

何も対策を講じない場合、基本的には年齢とともに徐々にDHTの生成量が増えていきますが、ここに食事や睡眠、ストレスの多寡などの要素も絡んできます。

生活上の不摂生はDHTの生成量を上向かせる要因になりますし、例えば頭皮環境の悪化などホルモンとは別の機序で薄毛の進行に加担することもあります。

女性の場合

女性の場合は男性ほどシンプルではありません。まず、女性特有の事象として閉経による女性ホルモン量の減少が大きく影響します。

女性はもともと女性ホルモンの分泌量が多いので、DHTがわずかに生成されたとしても影響は小さく、それほど問題になりません。

しかし閉経時期を迎え女性ホルモンの量が減少すると、相対的にDHTの影響力が増すことになります。そのため、閉経時期を迎えた女性もDHTの影響にさらされ、抜け毛や薄毛の悩みを訴えることが多くなります。

若い女性は大丈夫かというとそうでもありません。女性はホルモンバランスを崩しやすくなるシーンが多くあり、そのタイミングで女性ホルモン量が減少してDHTの影響が増し、抜け毛や薄毛の悩みを引き起こすことがあります。

近年は女性の社会進出が進み、仕事や家庭でストレスを抱えることが多くなりました。安定した十分な睡眠時間の確保に課題がある人も多いようですが、ストレスや生活上の不摂生がホルモンバランスの乱れにつながり、若い女性でも薄毛になってしまうことがあるので注意が必要です。

薄毛への対処はホルモン対策を意識すること

本章では薄毛の原因となる体内のホルモンについて掘り下げて見てきました。男性でも女性でも、ほとんどの薄毛は体内で発生するDHTが原因になります。

個人差として生活習慣などが関与するほか、男女ではDHTの生産が増える時期やシーンに違いが出てきます。治療法も男女で違いがあり、女性は使用できる薬剤に制限が出ます。

当院では男性の方はもちろん、女性の方でも効果的に治療できる環境を整えています。抜け毛、薄毛の悩みがある方はぜひ当院にご相談ください。