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つむじハゲの原因と対策を解説

つむじ

普段はあまり意識されませんが、誰でも頭のてっぺんあたりには「つむじ」があります。円周状に渦を巻いたようになっていますが、なぜつむじができるかははっきりとした理由が分かっていません。

このつむじ付近は薄毛になりやすい部位で、薄くなると「つむじハゲ」などと呼ばれることもあります。本章ではつむじハゲの原因と対策について詳しく見ていきます。


正常なつむじの状態は?

頭皮

つむじは元々頭皮の露出がある部位ですから、一見して頭皮が見えていても必ずしもハゲているわけではありません。

つむじも頭皮の一部ですから、つむじが正常であるかどうかは、他の健康な頭皮と色を比較して確かめることができます。

髪をかき分けて正常な頭皮を観察すると、見た目には白~青白い色をしているはずです。正常な状態の頭皮とつむじを比べて、同じ色をしていれば一安心です。またつむじのキワの毛髪が細くなっていないかも確認しましょう。

つむじのキワの毛髪が他の部位と比べて特に細くなっていないようであれば、つむじハゲはまだ起きていないと考えて大丈夫です。


つむじハゲの前兆を見逃すな!

つむじハゲが起き始める初期段階では、つむじのキワに生えている毛髪に「軟毛化」という現象が現れます。

簡単に言えばその名の通り髪が柔らかくなる現象ですが、本来あるべきハリやコシが失われ、髪が細くなり弱体化することを軟毛化といいます。

つむじハゲはキワに生える毛髪から軟毛化が起きますから、この部分をよく観察すれば確認できるはずです。

自分で確認するのは大変かと思いますので、家族や友人に頼んで見てもらってもいいでしょう。またつむじハゲが進むと、つむじの色が肌色~赤っぽくなってきます。

これは頭皮の皮膚化が進んでいる証拠です。例えば前頭部や生え際などの部位でも、薄毛が進むと頭皮の色は青白い色から顔の皮膚と同じ色になってきます。

毛根が元気に生きている頭皮は青白い色をしていますが、毛根が死滅すると他の皮膚と同じ色になります。もし、つむじが顔の皮膚と同じような肌色~赤っぽい色をしていたら、毛根がある程度死んできている可能性があります。軟毛化現象だけでなくつむじの色も変化していたら、早急に対処が必要なサインです。


つむじハゲはなぜ起きる?

ヘアサイクル

つむじハゲは、男性型脱毛症(AGA)の一形態として起きる薄毛です。男性の場合、AGAの進行パターンとして大きくU字型、M字型、O字型の3つのタイプがあります。

地肌が露出する部位に着目した呼び名ですが、それぞれ前頭部、生え際、頭頂部から薄毛が進んでいきます。

このうち、つむじハゲはO字型のAGAによる薄毛ということになりますね。3つのタイプは初めに薄毛が発生する部位が異なるものの、その原因は同じで、体内の男性ホルモンが悪さをするために起きます。

男性は強い筋肉を作ったり、生殖機能を発達させるためにテストステロンという男性ホルモンが多く分泌されています。

思春期以降、テストステロンは体内酵素の一種5αリダクターゼによってジヒドロテストステロン(DHT)に変換される量が増えていきます。

通常、人の毛根では正常なヘアサイクルのもとで自然な発毛と脱毛を繰り返していますが、この場合3年から7年程度の成長期間を確保することができます。

DHTは毛根に脱毛信号を発して成長期を短くしてしまう作用があり、その影響にさらされると髪は十分に成長することができなくなります。

ハリやコシがなくなり、ひょろっとした弾力のない細い状態の髪が多くなり、これが冒頭でお話しした軟毛化現象として現れるのです。

さらに進むと、DHTの影響で活力をなくした毛根はやがて死んでしまい、毛根のない範囲が広がり薄毛となります。


つむじハゲの対策方法は?

つむじハゲの原因は体内でDHTが増えることですから、DHTの生成をできるだけ抑止する必要あります。医療機関で処方を受けられるフィナステリド製剤を使用すれば、大変効果的にDHTの生成を抑えることができます。

薬に頼って不摂生をしていては効果も半減してしまうので、髪の生育力を落とさないような生活を心がけることも大切です。

例えばDHTの生成を強める深酒をしないようにする、栄養面から髪の生育力を維持するためにバランスの良い食事を心がける、体力を落とさないように睡眠時間を確保するなど、本人の努力もある程度必要になります。


まとめ:つむじハゲはDHTを抑制して改善しよう

本章ではつむじハゲの原因と対策について取り上げて見てきました。つむじハゲはAGAの一形態として頭頂部から始まる薄毛であり、原因は体内の男性ホルモンDHTです。

DHTの生成を抑えることが第一目標となりますが、専用の治療薬は医師の処方でしか手に入れることができません。

当院ではフィナステリド製剤の処方だけでなく、薄毛の度合いが強い場合には改善効果の強い治療薬を併用することも可能です。

患者さんの状態に合わせた治療を提案していますので、つむじハゲが進んでしまった場合でもあきらめずに、当院にご相談くださいね。